■所在地 埼玉県川越市
■主体構造 木造
■階数 地上1階
■敷地面積 1,250.08u
■延床面積 438.89u
■主要用途 キリスト教会兼住宅
★コンペ協力 潟潟oティ
★設計主旨
■敷地との出会い
最初に敷地を見た時に、真っ先にランドスケープ(景色、風景)の良さを生かした設計がしたいと思った
ボリュームのある敷地に高さを求めるのではなく、水平が強調された平屋の建築を思い浮かべた
平屋は平等の意味を合わせ持つ...上下・身分関係なく同じ目線の中で移動することの意味を表現したい
■建築イメージ
建物は真っ白な箱をベースとし、礼拝堂部分にカマボコ型の屋根が載った形状
礼拝堂を北側(県道側)に配置し、この地に十字架と一体となったシンボリックな建築を目指した
十字架を単独に設置して目立たせるのではなく、十字架を建築に取り込み、建物全体が主張しながらも静かに佇む建築にしたい
礼拝堂の西側(説教台の後ろの方向)にはガラスを合わせ持った十字架を考えた
同じく礼拝堂の東側のカマボコ部分にもガラスをはめ込んだ
真っ白な建物から十字架が浮き出た光がこぼれる姿を思い浮かべた...
今回は予算のことが気になり最初からの提案は難しいと思うが、ステンドグラスも是非検討したく思った
神聖な空間である礼拝堂には、通常はこのガラスからの光だけの空間...必要に応じて人工照明との併用を考えた
また外部に水庭を設け、自然光に合わせて水の揺らぎを考え、礼拝堂へ入る光が一層神聖なものになることを期待したい
■工法・材料
プログラムを読み進めると...全体予算と要望項目から、構造的な負担をあまりかけない木造平屋在来工法を採用し
屋根・外壁には安価で耐候性のあるガルバリウム鋼板を用いた
また内部も主要部分には、出来る限り質素ではあるが空間をしっかり演出できる材料...
そして年月を経るごとに味わいが増していくような材料を使うように心がけた
■建物概要
●教会堂
周辺の景色を取り入れながらも、礼拝堂・食堂には水庭、集会室・事務室・ホール・母子室
そして便所にも中庭が面するように...
食堂と集会室はそれぞれ単独で使用可能で、間仕切りを開ければ1室としても使用できるように考えた
●住宅
シンプルで使いやすいレイアウトを考え、やはりランドスケープを生かし南からの日光を最大限取り入れた
各居室は中庭に面するように配置し、廻りに開きながらもプライベートな空間を確保した
牧師書斎は教会堂のホールとつながる位置に配置した
■エントランス〜ホール〜礼拝堂
教会堂のエントランスを入ると、正面に1本の樹木のある中庭が見える人々はこの中庭に向かってアプローチする
左手の礼拝堂へのドアを開けると正面に十字架がきられたスクリーンにランドスケープが広がる...この光には水庭の水面の揺らぎが加わる
礼拝堂の特徴...
アーチを描く天井・ガラスのスクリーン・無垢杉フローリング・シナベニヤ...
礼拝堂には、東西から入る光のみが降り注ぐ
大島功市